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Primetals Technologies site manager Olaf Schwarze, Zhang Yong, director of steelmaking plant no 3., and Primetals Technologies commissioning manager Novica Mitic and (from left to right) in steelmaking plant no. 3

ロンドン2019年2月 26日

中国の鞍山鋼鉄向けスラブ連続鋳造機の近代化工事が完 工

  • 近代化工事により生産性と製品品質が向上
  • 様々な鋼種や形状を鋳造する高い柔軟性
  • 改造工事期間はわずか 30 日
  • 迅速なプロジェクト遂行で休止期間を最小化
  • 稼働開始から最終検収書までの期間に 1,700 ヒート(約 348,000 トン相当)を処理

 

2018 年 12 月、プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は、中国の鞍山鋼鉄集団公 司(Angang Iron & Steel Group Co.:鞍山鋼鉄)第 3 製鋼工場の 2 ストランド式スラブ連鋳機 CCM1 号 機の近代化工事を完工し、最終検収書を受領しました。本プロジェクトは、生産性および製品品質の向 上と、様々な鋼種や形状を鋳造できるよう柔軟性を高めることを目的として実施され、同基には、スラ ブの内部品質を改善できる軽圧下システム「ダイナギャップソフトリダクション(DynaGap Soft Reduction)」など、最新設備と技術パッケージが装備されました。休止期間を最小限に抑えるため迅 速なプロジェクトの遂行が特に重視された今回の工事は、わずか 30 日という短期間での完工となり、 同基は 2018 年 10 月末の稼働開始からわずか 2 か月弱で 1,700 ヒート(約 348,000 トン相当)もの溶鋼 を処理しました。

 

中国遼寧省鞍山市を本拠地とする鞍山鋼鉄は、年間約 3,580 万トン(2017 年実績)の生産量を誇る中 国有数の鉄鋼メーカーです。同社の第 3 製鋼工場は、BOF 転炉、レードル炉、RH 真空脱ガス装置とい うルートの製造工程を採用しており、年間 500 万トンの生産能力で 2 基の連鋳機に溶鋼を供給していま す。今回アップグレードされたスラブ連鋳機 CCM1のほか、CCM2 号機についても当社が過去に同様 の近代化工事を実施し、2015 年 7 月から安定した稼働を続けています。

 

スラブ連鋳機 CCM1 号機は 250 万トンの年産能力を有し、湾曲半径は 9 メートル、凝固完了長さは 36 メートルで、板厚 230 ミリメートル、板幅 990~1,550 ミリメートルのスラブを毎分最大 2.1 メートル の速度で生産します。鋳造される鋼種は、超低炭素鋼から高炭素鋼、包晶鋼、深絞り鋼、HSLA 鋼、非 調質鋼、低合金鋼、ケイ素鋼です。

 

今回の近代化プロジェクトでは、新型のタンディッシュカーと、鋳型の湯面レベル制御システム「レブ コン(LevCon)」を装備した新タンディッシュが同基に設置され、カセットタイプのストレート型鋳 型「スマートモールド(Smart Mold)」には、湯もれ検知システム「モールドエキスパート(Mold Expert)」、自動スラブ幅調節機構「ダイナウィデュス(DynaWidth)」、鋳型オシレーター「ダイナ フレックス(DynaFlex)」が装備されました。ストランドガイドシステムは、スラブ厚を遠隔制御する 「ベンダー(Bender)」、鋳造用ロールの上下位置の自動制御機構「スマートセグメンツ(Smart Segments)」、ローラー支持システム「I-Star」で構成されています。

 

ストランド全体の温度分布は、二次冷却システム「ダイナックス(Dynacs)」によって動的に算出・制 御され、鋳造速度、スラブ形状、生産鋼種に応じて必要となるストランドの二次冷却設定温度と最終凝 固点が正確に算出されます。軽圧下システムのダイナキャップソフトリダクションはスラブの内部品質 を改善し、ダイナックスの算出値に基づいて、圧下ローラーの間隔を最終凝固中に動的に調整し、スト ランドの中心偏析を最小限に抑えます。二次冷却では、中央部と端部を設定して冷却するスプレー冷却 システム「ダイナジェット(DynaJet)」が使用されます。

 

当社は、主要設備と技術パッケージの納入に加え、タンディッシュ、レードルのロングノズル、ダミー バーシステム、支持構造、およびメンテナンススタンドの基本的なエンジニアリングと、ロングノズル マニピュレーター、タンディッシュカー、鋳型および鋳型オシレーター、ストランドガイドシステムの セグメント、二次冷却、ダミーバーの詳細なエンジニアリングも行いました。また、オートメーション システムも担当し、据付および試運転のコンサルティングも行いました。

中国遼寧省鞍山市の鞍山鋼鉄集団公司第 3 製鋼所内にて。(左から右へ)プライメタ ルズテクノロジーズ現場マネージャーのオラフ・シュヴァルツェ(Olaf Schwarze)、 鞍山鋼鉄第 3 製鋼工場長の張勇(Zhang Yong)氏、プライメタルズテクノロジーズ試 運転マネージャーのノヴィツァ・ミティッチ(Novica Mitic)

 

プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業における、エンジニアリン グ及びプラント建設全般の世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューショ ンを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューション をお届けします。当社は、株式会社日立製作所ならびに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメ ンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足した三菱重工のグループ会社です。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com