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idRHa+ inline rail head-hardening system

ロンドン2017年12月 07日

カザフスタンの ARBZ 社向けレール・条鋼圧延機を引渡 し

  • カザフスタン初の鉄道レール製造工場向けプラント
  • 最長 120 メートルの重量レールのインライン熱処理硬化装置として最先端技術のレール表面硬化用 二相インジェクター冷却システム「Idrha+」を導入
  • 製造される鉄道レールはロシア規格「GOST」の認証を事前取得済みで、ロシア連邦および CIS 諸 国にも輸出

 

プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は、カザフスタンにある ARBZ 社(Aktobe Rail and Section Works LLP)に納入したレール・条鋼圧延機プラントを引渡し、最終検収書を受領し ました。新設された圧延設備はカザフスタン国有鉄道会社(Temir Zholy JSC)の支援の下、カザフス タン初の鉄道レール製造工場として同国アクトベに建設されました。

 

この圧延設備には、高耐接触疲労損傷性および高耐摩耗性の鉄道レールを製造するため、レール表面硬 化用二相インジェクターシステム「Idrha+」が導入されています。この最先端技術システムでは、最長 120 メートルの重量レールをインライン熱処理硬化することが可能です。製造される鉄道レールは GOST 規格の事前認証を受けており、カザフスタン国内市場のみならずロシア連邦と CIS 諸国にも輸出 されます。

 

カザフスタンのアクトベに新設されたレール・条鋼共用の本圧延機は、当社が 2013 年に受注し、最長 120 メートルのレールを年間約 20 万トン、山形鋼、溝形鋼、I 形鋼を年間 23 万トン生産する能力を有 しています。これらの鉄道レール生産量は、カザフスタンをはじめとする CIS 諸国で急増する鉄道設備 への需要を満たすものとなっています。

 

レール表面硬化用二相インジェクターシステム「Idrha+」は、最長 120 メートルの重量レールのインラ イン熱処理硬化を可能とする最先端技術です。このシステムは、当社とイタリアの RINA-CSM 技術セ ンター(RINA Consulting Centro Sviluppo Materiali SpA:イタリア船級協会 RINA グループの材料開発 中央技術センター)が共同開発したもので、インライン熱処理方式でレール頭部を硬化させる機構によ り、耐接触疲労損傷性と耐摩耗性を向上させた鉄道レールを製造することができます。非常に柔軟で信 頼性の高いプロセスであるため、鋼種に合わせて製品レールの性能が最適化されます。

 

Idrha+の設計は加工熱処理プロセスモデルと冶金プロセスモデルに基づいており、パイロットプラント での実験によってその妥当性が実証されています。このシステムでは、生産開始前に各種グレードのレ ール鋼の冷却方法を様々にシミュレーションできるため、立ち上がり時間を短縮し、計画生産能力を迅 速に達成し、関連する性能パラメータを常に安定して実現することができます。

 

当社は、毎時 90 トンの加熱能力を有するウォーキングビーム式加熱炉、ワークロール中心間距離が最 大 1050mm の 2-Hi 可逆式ブルーム圧延機のほか、ユニバーサル/エッジング/ユニバーサル/ユニバ ーサルのミル構成の圧延スタンド「Red Ring」4 基からなる可逆式ユニバーサル圧延機を含む圧延ライ ン一式を納入しました。機械設備としては、長さ 125 メートルの冷却床、水平・上下方向の矯正機、切 断鋸、最終製品の結束及びハンドリング設備も含まれており、品質管理用に圧延ライン内に非破壊検査 ステーション一式も設置、さらに圧延ロールのメンテナンス用に試験室とワークショップも設置されま した。電源制御設備としては、ベーシックオートメーションおよびプロセスオートメーション、主駆動 装置と補助駆動装置、中圧供給・配電システム、無停電電源装置などを、さらに圧延機および水処理プ ラントの流体系統も納入しました。なおプライメタルズテクノロジーズは、当社納入設備のエンジニア リングに加えて、顧客提供設備のエンジニアリングも実施し、据付けと試運転の監督も担当しました。

 

ARBZ 社は、製造する鉄道レールについてカザフスタンの国家認証を取得後、全ロシア鉄道研究所(AllRussian Railway Research Institute:VNIIZhT)における 6 ヶ月におよぶ厳格な試験を経て、2016 年 11 月にロシア標準規格の GOST の事前認証(複数年有効)を取得しました。全ロシア鉄道研究所はモスク ワ郊外で鉄道レールの試験に使用する環状の鉄道軌道を運用しており、試験対象の鉄道レールは、列車 構成、負荷分布、運転時間、運転加速度、運転速度、ブレーキ、勾配など、さまざまな運転条件で試験 されます。鉄道レールはこのような試験中及び試験後に検査が行われ、レールの摩耗や損傷の発生の状 況が徹底的に調査されます。

 

ARBZ 社の鉄道レールはカザフスタン国内市場に供給されるほか、ロシア連邦および CIS 諸国にも輸出 されます。現在製造の鉄道レールはすべて Idrha+処理が施され、高速鉄道向けの高強度パーライトレ ール P65 DT350 が生産されています。

idRHa+は、プライメタルズテクノロジーズの登録商標です。

 

プライメタルズテクノロジーズがカザフスタン・アクトベの ARBZ 社向けに納入した レール圧延設備のレール表面硬化用二相インジェクター冷却システム「Idrha+」。

 

プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業にとって、エンジニアリン グやプラント建設全般の、世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューショ ンを含めた技術、製品、サービスの一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューショ ンをお届けします。当社は三菱重工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメン ス・グループのシーメンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com