最新情報

ニュース&プレスリリース


Meltshop of EVRAZ Regina

ロンドン2015年7月 02日

Primetals Technologies は北米 EVRAZ Regina 社から 製鉄所のアップグレード工事を受注

  • 二次精錬設備、連鋳機、厚板圧延機、ステッケルミル ※1 を含む各種設備の近代化
  • 生産する API X70 および X80※2 級鋼板の板厚増大を実現
  • 機械・電気・自動化ソリューションを溶鋼の品質向上から製品コイルに至るまで提供

 

Primetals Technologies は、EVRAZ Regina(エブラズ レジャイナ)社から製鉄所(カナダ・サスカチュワン州レ ジャイナ)のアップグレード工事を受注しました。本プロジェクトでは、最上流の溶鋼の品質改善から製品コイル に至るまでの包括的な機械・電気・オートメーションのソリューション提供、真空脱ガス設備の新設に加えて、既 存のスラブ連鋳機、厚板圧延機およびステッケルミルの近代化工事を実施します。同社は今回の工事で、拡大を続 けるカナダの鋼管市場向けに板厚 25.4 mm の X70 級鋼板および板厚 19.1 mm の X80 級鋼板が生産可能になります。 新設備は 2016 年度第 4 四半期までに設置される予定。

 

EVRAZ North America 社は、採鉱および製鉄事業を展開する世界有数の垂直統合型企業である EVRAZ plc の 100% 子会社です。同社は、鉄道、エネルギーおよび各種産業向けの工業用鉄鋼メーカーとして北米業界をリード。米国 (オレゴン州ポートランド、コロラド州プエブロ)、カナダ(サスカチュワン州レジャイナ、アルバータ州カルガ リー、カムローズ、レッドディア)に計 6 箇所の生産拠点を所有し、鉄道用レールおよび大口径鋼管では北米トッ プの生産量を誇ります。

 

EVRAZ Regina 社は、普通鋼、切り板、コイルを生産。2 基の電気炉でスクラップを溶解し、スラブに鋳造した後、 ステッケルミルで熱間圧延を行います。生産された鋼板とコイルは、カナダおよび米国のエネルギー産業向けの油 井管、ガス井管、枠材および管材、直径 660 mm から 2032 mm の送油管等の鋼管製品に加工されます。

 

二次精錬設備には、脱気槽、乾式真空ポンプ、バルブスタンド、吸込管、ガス冷却器等を含む 2 筒型真空脱ガス設 備(135 トン)を新設予定。 スラブ鋳造用の鋳型機構には、油圧シリンダ駆動の DynaWidth 幅制御システム ※3 を投入して高度化。連鋳機の制 御機構である Smart Segments※4 が、セグメント 1 および連鋳機の矯正機・水平ゾーン内に新設されます。さらに 鋳片ガイドには、大型スラブの中央および端部の冷却用に水スプレーを搭載。これらの対策により、生産可能なス ラブ厚が 20 cm から 25 cm に増大します。 既存の厚板 2 段粗圧延機には、圧延力を強化するために新型の駆動機構が搭載されます。 4 段ステッケルミルの更新ではポジティブロールベンダー、改良型コイラ(コイル巻き取り機)およびアンコイラ (巻き戻し機)のほか、新型の駆動機構が投入されます。 既存のラミナー冷却システムは、ダイレクトクエンチ型 ※5 に更新。既存のアップコイラ ※6 は、4 ラッパーロール 式ダウンコイラ ※6 のほか、サンプリングステーション、(コイル固縛用)バンディングおよびマーキング装置を 含む新しいコイルハンドリングシステムへ更新されます。こうした変更に合わせて、自動化システムとしてベーシ ックオートメーション(レベル 1)およびプロセスオートメーション(レベル 2)も導入されます。

 

今回の 3 パッケージ ※7 同時受注は、必要とされる X 級鋼板を生産可能にする当社製品の一連の性能が評価された ことによるものです。

 

※1 ステッケルミル:圧延機の前後に加熱炉内でストリップの巻取・巻戻しを行うコイラファーネスを設置し、高 温のストリップを保温しながらリバース圧延するもの。4 段ステッケルミルは、上下に 4 本の圧延用ロールを組 み合わせて圧延する。
※2 API X70 80:(アメリカ石油協会)の鋼管の規格で高強度のグレード。
※3 DynaWidth 幅制御システム:Primetals Technologies が供給する動的に鋳片の幅を調整するシステム。機械の バックラッシュと隙間を低減することにより、システムの精度を上げ、メンテナンスコストを削減する。
※4 Smart Segments:連鋳機の制御機構で、鋳造速度の変化に追従した鋳造用ロールの上下位置の自動制御、軽圧 下の最適化を行う Primetals Technologies 独自の機構。
※5 ダイレクトクエンチ:鋼の表面を硬化させるために、炭素を浸み込ませるプロセス(浸炭)に続いて、再加熱 し焼入れを行うが、工程簡略化と省エネルギーのために浸炭と焼入れを同時に行う処理方法。浸炭直接焼入れ。
※6 アップコイラ、ダウンコイラ:圧延された鋼板のコイル巻き取り装置のうち、コンベアラインより上方に設置 されてコイルを巻き上げていくものをアップコイラ、コンベアラインより下方に設置されてコイルを巻き下げてい くものをダウンコイラと称する。
※7 3パッケージ:二次精錬設備、連鋳機、厚板圧延機およびステッケルミルのこと。

EVRAZ Regina の溶解工場(カナダ・サスカチュワン州レジャイナ)連鋳機(写真提供:EVRAZ Regina)。

 

Primetals Technologies, Limited は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業にとって、エンジニアリングやプラント建設全般の、世界的 リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービス の一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重 工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメンス VAI メ タルズテクノロジーズ社の合併により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。発足時の従業員数は全世界 で約 9,000 人。詳しくは、以下の URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com