- ステンレス、電磁鋼、合金、特殊鋼の世界的メーカーであるアぺラムにおける広範囲な更新工事を完工
- 既設130トンのAOD炉の更新に加え、同規模AOD炉を新設
- 生産の柔軟性が大幅に向上
- 先進的な集塵・排熱回収システムが排出物を飛躍的に削減
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は、ベルギー、ゲンクにあるアぺラム(Aperam)のステンレス製鋼工場における包括的な更新工事を完工しました。同工場は現在、より安定した操業を行っています。本プロジェクトでは、既設の130トンアルゴン酸素製錬炉(AOD炉)の更新に加え、2基目となる130トン AOD炉を新設し、生産効率および作業員の安全性を大幅に改善しました。また、最新鋭の一次・二次集塵設備と排熱回収技術の採用で、最新の排出規制ならびに効率基準に対応しています。
新設したAOD炉により処理時間が最適化され、高級鋼種の開発における柔軟性が拡大しました。また、コスト効率の高い原料の使用が可能となり、生産コストの低減にも寄与しています。
AOD炉両基には、プライメタルズ テクノロジーズの特許技術である自動AOD炉サスペンションシステムVaicon AutoFixを装備しました。従来、炉体とトラニオンリングを接続するロッキング機構は作業員が手動で操作していましたが、Vaicon AutoFixにより炉体交換時の手動介入が不要となり安全性が改善されるとともに、交換時間が1時間未満に短縮され、稼働率の向上を実現しています。さらに、強い溶湯挙動による振動を大幅に低減するVaicon Damperの導入で振動を50%以上抑制し、機器および基礎部の摩耗を最小限に抑えます。
大幅な排出削減
新設のNo. 2 AOD炉には、プライメタルズ テクノロジーズが供給・実装した排熱回収対応システムが組み込まれています。本システムは、2段階の熱交換器により高温排ガスを冷却します。回収された熱エネルギーは温水に変換され、将来的に発電や地域熱供給などの産業用途での活用が可能であるためCO2排出量削減につながり、アペラムが掲げる持続可能な鉄鋼・合金生産に向けた取り組みを支援します。
アペラム ゲンク製鋼工場長Sofie Vantilt氏は次のように述べています。
「今回の大規模更新は当工場にとって新たな節目です。2基目のAOD炉と先進的な環境技術が、より柔軟な操業、高級鋼種の生産、環境負荷の一層の低減を可能にしました。今回の設備投資は、無限に循環可能で世界を変える素材を通じて、サーキュラーエコノミーにおける価値創造を牽引するという当社のビジョンを体現するものです。」
プロセス制御の強化
ゲンク製鋼工場には、基本オートメーションシステム(レベル1)、プロセス自動化・最適化システム(レベル2)の他、設備状態監視システムAsset Life Expert(ALEX)およびプロセス制御・最適化システムAOD Optimizerを含む高度な自動化ソリューションが導入されました。
ALEXは、ウェブベースのユーザーインターフェースを備えた集中型状態監視システムで、操業状態を明確に可視化するとともに実行可能な推奨事項を提供し、迅速で的確な意思決定を支援します。工場ごとのニーズに応じてカスタマイズでき、拡張性と柔軟性に優れ、操業および保全状態を的確に把握することができます。アペラムはALEXを最新状態に維持し、操業・保全要件の変化に対応するシステム保守契約も締結しました。
AOD Optimizerは、ステンレス製鋼における効率性と冶金学的精度を高めます。AOD炉は、装入原料の多様性、大きな溶鋼量、幅広い特殊ステンレス鋼種の生産に伴うプロセス条件の大きな変動に対応する必要があります。AOD Optimizerは物理法則にもとづく計算と動的制御アルゴリズムを統合したハイブリッドモデリングにより、これらの課題に対処します。
プライメタルズ テクノロジーズの供給範囲には、トランスファーカー、半自動レードルトランスファークレーン、既設材料搬送設備の拡張も含まれていました。
アペラム
アペラムはステンレス、電磁鋼、合金、特殊鋼に加え、リサイクル・再生可能素材の分野でもグローバルに事業を展開し、40ヵ国以上で製品を提供しています。2022年1月1日以後は事業構成をステンレス&電磁鋼、合金&特殊鋼、リサイクリング&再生可能素材としています。
ブラジルおよび欧州で年間250万トンのステンレス・電磁鋼の生産能力を持ち、フランス、中国、インド、米国に拠点を構え、合金・高付加価値特殊製品の分野でのリーダー企業です。欧州での主要ステンレス生産拠点は、ベルギーのシャトレ(Châtelet)およびゲンク、フランスのグーニョン(Gueugnon)およびイスベルグ(Isbergues)です。ゲンクではAISI 300および400系の熱間および冷間圧延コイルを生産しています。なお、No. 1 AOD炉は2002年にプライメタルズ テクノロジーズが供給しました。詳細はアペラムのウェブサイトwww.aperam.comをご参照ください。
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies), は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。 当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、 原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。 当社は三菱重工グループ100%出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。 詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。www.primetals.com.
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