- 転炉に新傾動装置(オートメーション技術と駆動技術を含む)、新トラニオンリング、および関連 機器を設置
- バイコンドライブダンパー導入により、吹込み処理中に生じる振動を 50 パーセント以上低減
- ダンパーシステムが摩耗とメンテナンス費用を抑制
- · 既存プラントへの組み込みも容易
In プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は、2018 年 12 月、フィンランドの鉄鋼メ ーカーであるオウトクンプ・ステンレス社(Outokumpu Stainless Oy:オウトクンプ社)トルニオ工場 向けの No. 1 AOD 転炉の近代化工事を完工し、稼働が開始されました。本プロジェクトでは、新傾動装 置、新トラニオンリング、その他関連機器(電気設備、オートメーションなど)が AOD 転炉に取り付 けられました。傾動装置には、当社が開発したバイコンドライブダンパー(Vaicon Drive Damper)も 設置され、これにより吹込み処理時に生じる振動が抑えられるため、転炉本体から基礎に至るまでシス テム全体にかかる機械的負荷が軽減します。特許取得済みの本ダンパーシステムには、摩耗およびメン テナンス費用を抑制し、プラント耐用年数を延ばす効果があります。また新プラントへの設置だけでな く、既存転炉への組み込みも可能です。
オウトクンプ社は、30 か国以上に約 1 万人の従業員を抱え、本社をフィンランド・ヘルシンキに構える 世界有数のステンレス鋼メーカーです。フィンランド北部のトルニオ市にある工場は、年産 120 万トン の冷間圧延能力を有する複合生産拠点で、同工場で使用するクロム鉱石は、オウトクンプ社が操業して いるケミ市近郊の鉱山で採掘されたものです。
当社は、トラニオンリングと傾動装置に加え、ダンパーシステムやロータリージョイント、配管などの 新しい転炉機器の立案、製造、供給を請け負うとともに、AOD 転炉の設置工事、試運転、および立ち上 げの指導も行いました。さらに、傾動装置とダンパーシステム用のレベル 1 ソフトウェアとハードウェ アも併せて納入しました。主な構成機器は、安全 PLC、リモート IO、周波数変換器、現場用制御パル ピット、エンジニアリングステーション、そしてプロセスデータ記録システムで、可視化に必要なプロ セス画像は、既存の制御システムに組み込まれるようになっています。
AOD(アルゴン-酸素-脱炭)は、ステンレス鋼と高合金鋼の生産に用いられる精錬法で、多量の酸素、 アルゴン、窒素を横吹き方式で注入して浴内を完全に撹拌することにより、好ましくない合金元素によ るスラグ生成を最小限に抑えます。しかし、この精錬法に特有の横吹き処理は、鋼浴と数百トンもある AOD 転炉本体に振動を生じさせます。この振動により動的応力が発生し、結果としてプラント機器の寿 命が短縮し、とくに傾動装置の軸受と歯車の摩耗が早まるため必要なメンテナンス量が増大します。
当社が開発し特許を取得したバイコンドライブダンパーは、そのような誘起振動とそれに伴う転炉構造 の機械的ストレスを 50 パーセント以上低減します。オーストリアの Hainzl 社と共同開発した 2 本の油 圧ダンパーと、測定システム、診断・制御用のソフトウェアで構成された本ダンパーシステムは、転炉 の傾動装置のトルク支持部に平行に取り付けられ、傾動装置とは無関係に作動します。この設計によっ て高い稼働率が保証され、既存プラントへの組み込みも容易です。各ダンパーは密閉型油圧回路を備え ているため、外部に油圧システムを追加する必要がありません。減衰効果は電気油圧式の比例絞り弁に よって実現されるため、連続的な調整が可能であり、ダンパーから発生する熱は内蔵の水冷システムに よって放散されます。
さらに、ダンパーには位置測定システムと圧力および温度センサーも装備されており、当社開発のソフ トウェアが振動変位、温度、圧力、減衰力など全てのプロセスデータを記録・診断するため、転炉の瞬 間的な振動状態への迅速かつ効果的な対応が容易になります。
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies), は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。 当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、 原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。 当社は三菱重工グループ100%出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。 詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。www.primetals.com.
*ダウンロードされた資料は、プライメタルズ テクノロジーズに関するメディア報道および当社パートナーによる情報発信においてご使用いただけます。ご使用の際は、出典の明記をお願いいたします。
