オーストリア、ウィーンで行われた調印式での各社代表者

2025年4月08日

プライメタルズ テクノロジーズがフェストアルピーネおよびリオ ティントと共同で水素ベース製銑プラントを導入 - 戦略的パートナーとして三菱商事も参画

プレスリリース

製銑

グリーンスティール

  • オーストリア、リンツに実証プラントを導入
  • 水素ベースの微粉鉄鉱石還元(HYFOR)および電気製銑炉(スメルター)によるホットブリケットアイアン、溶銑、銑鉄の生産
  • 水素ベースの微粉鉄鉱石直接還元プラントがスメルターとリンクするのは初めて

2025年4月1日、プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は、大手鉱業・資源会社であるリオ ティント、世界有数の鉄鋼技術グループであるフェストアルピーネとともに、流動床およびスメルターの開発を迅速に進めるための協力協定に調印しました。この協定は、オーストリア、リンツにあるフェストアルピーネの拠点で、CO2排出ネットゼロの可能性を秘めた製銑の新プロセスを導入し、実証プラントを稼動させるものです。実証プラントの稼動開始は2027年半ばを予定しています。なお、三菱商事は、プライメタルズテクノロジーズの戦略的パートナーとして参画します。

水素ベースの直接還元プロセスと直接還元鉄の溶解

1時間当たり3トンの溶銑を生産する新しい製銑プロセスは、プライメタルズ テクノロジーズのHYFORとスメルターソリューションに基づいています。HYFORは、ペレタイジング工程を必要としない、世界初の微粉鉄鉱石直接還元技術です。2021年以来、プライメタルズ テクノロジーズはオーストリア、ドナヴィッツにあるフェストアルピーネの敷地内でパイロットプラントを稼働させ、数多くの実証実験を成功させてきました。スメルターは、直接還元鉄(DRI)の溶解と最終還元に再生可能エネルギーを使用する炉であるため、製鋼所向けにCO2排出ネットゼロの溶銑を生産できます。

プライメタルズ テクノロジーズ最高技術責任者(CTO)兼グリーンスチール部門責任者 Alexander Fleischanderl氏は以下のように述べています。

「このプロジェクトは、将来を見据えた製銑プロセスの重要な進歩です。私たちは初めて、水素ベースの直接還元による連続生産プロセスを導入します。HYFORとスメルターの組み合わせは、LD転炉(BOF)が鉄鋼生産に与えた影響と同程度に業界を変革する可能性を秘めた非常に革新的な技術です。フェストアルピーネ、リオ ティント、三菱商事という強力なパートナーの支援を得られたことを非常に誇りに思います。私たちは共に、CO2排出ネットゼロ製銑の未来を大きく変える準備ができています。」

フェストアルピーネCEO Herbert Eibensteiner氏は以下のように述べています。

「フェストアルピーネは、グリーンテック・スチール・プログラムを通じて、CO2排出量ネットゼロの鉄鋼生産に向けた明確な段階的計画を立てています。第一段階として、2027年からリンツとドナヴィッツの各拠点でグリーン電力による電気炉を1基ずつ稼働させます。2029年までに、CO2排出量を2019年比で最大30%削減します。これはオーストリアの年間CO2排出量のほぼ5%に相当し、グリーンテック・スチールはオーストリア最大規模の気候保護プログラムとなります。当社の長期戦略は、グリーン水素を利用してカーボンニュートラルな鉄鋼生産を実現することです。プライメタルズ テクノロジーズおよびリオ ティントと共に、水素ベースの銑鉄製造の研究において、まったく新しい、将来性の高いアプローチをとっています。」

世界最大級の鉄鉱石メーカーであるリオ ティントは、鉄鉱石の品質と処理における広範な専門知識を活かし、このプロジェクトに技術的な助言を行います。また、新設プラント向け鉄鉱石の70%を世界各地の事業拠点から調達します。さらに、本技術の商業化の加速についてプライメタルズ テクノロジーズを支援します。

リオ ティントの脱炭素鉄鋼部門ジェネラルマネージャーThomas Apffel氏は以下のように述べています。

「製銑・製鋼バリューチェーン全体を網羅するコンソーシアムに参加できることを嬉しく思います。当社の製銑に関する専門知識と、当社のピルバラ拠点、アイアン・オア・カンパニー・オブ・カナダ(Iron Ore Company of Canada: IOC)からの鉄鉱石供給に加え、将来的にはシマンドゥから産出される鉄鉱石も提供し、流動床技術の開発と採用の促進を目指すものです。この微粉ベースの製銑技術は、ペレット化が不要であるため、シャフト炉技術に代わる有力な選択肢を提示し、鉄鋼メーカーと採掘業者の双方に大きな利益をもたらすと期待されます。リオ ティントは、コンソーシアムへのより多くの企業の参加を歓迎し、この革新的技術の普及を共に推進できることを楽しみにしています。」

三菱商事 執行役員 鉄鋼原料本部長 田内 健一郎氏は以下のように述べています。

「鉄鋼原料事業は、何十年もの間、当社の中核事業のひとつであり、当社は鉄鋼業の脱炭素化を支援するために、低炭素な還元鉄の供給体制構築に向けて取り組んでいます。HYFORとスメルターは、鉄鋼業界の脱炭素化を加速させる有望な新技術であり、当社はプライメタルズ テクノロジーズの戦略的パートナーとして、鉄鋼サプライチェーンをリードするパートナー各社と共に、これらの画期的な技術の開発に参画できることを嬉しく思います。」

EUとオーストリア政府からの資金援助

オーストリア連邦政府は、Kommunalkredit Public Consulting(KPC)による 「Transformation of Industry 」およびAustria Wirtschaftsservice (aws)による 「Twin Transition 」の両プログラムを通じて、この実証プラントへの投資と運営に資金を提供しています。また、EUは、Clean Steel Partnership(CSP)によるEuropean Union Research Fund for Coal and Steelと、Hydrogen Valleys(水素がモビリティ、産業、エネルギー分野で複数の最終セクターや用途に採用される地域)で運営されるEuropean Union Clean Hydrogen Partnershipを通じて、このプロジェクトを支援しています。

フェストアルピーネ

フェストアルピーネは、材料と加工に関する専門知識の独自の組み合わせを持つ、世界有数の鉄鋼技術グループです。グローバルに事業を展開するフェストアルピーネグループは、約500のグループ会社を有し、5大陸で50カ国以上に拠点を構え、1995年からウィーン証券取引所に上場しています。その優れた製品とシステムソリューションにより、自動車産業、消費財産業、航空宇宙産業、エネルギー産業において主要な存在となっています。また、鉄道システム、工具鋼、特殊断面鋼の世界的なマーケットリーダーでもあります。世界的な気候変動適応目標にコミットしており、グリーンテック・スチール・プログラムによって鉄鋼生産を変革する明確な計画を立てています。2023/24年度のグループ売上高は167億ユーロ、営業利益(EBITDA)は17億ユーロで、全世界での従業員数は約51,600人です。

リオ ティント

リオ ティントは35カ国で事業を展開しており、60,000人の従業員を擁して世界が必要とする素材を提供するより良い手段を模索しています。製品ポートフォリオには、鉄鉱石、銅、アルミニウムをはじめ、人々、地域社会、国家の成長と繁栄、そして世界の温室効果ガス排出のネットゼロ化に必要な様々な鉱物や物質が含まれています。150年以上にわたる採掘と加工の経験をもとに事業を進め、気候変動を戦略の中核に据え、エネルギー転換を可能にする商品への投資と、事業およびバリューチェーンの脱炭素化に取り組んでいます。

www.riotinto.com

三菱商事

三菱商事は、世界中に広がる連結対象会社と協働しながらビジネスを展開しています。地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.、電力ソリューションの8グループ体制で、幅広い産業を事業領域としており、貿易のみならず、パートナーと共に、世界中の現場で開発や生産・製造などの役割も自ら担っています。

オーストリア、ウィーンで行われた調印式での各社代表者(左から)          リオ ティント Rafael Azevedo氏(General Manager Iron Ore Sales Atlantic)          リオ ティント Thomas Apffel氏(Senior Vice President Steel Decarbonization)          フェストアルピーネ Kurt Satzinger氏(Senior Vice President of R&D and Innovation)          フェストアルピーネHelmut Gruber氏(CTO and Member of the Board of Directors)          プライメタルズ テクノロジーズ Alexander Fleischanderl氏(CTO兼グリーンスチール部門責任者)          プライメタルズ テクノロジーズ 飯島 悟氏(ディレクター兼フェローアドバイザー)          三菱商事 財部 誠太郎氏(鉄鉱石部次長 還元鉄チームリーダー)

オーストリア、ウィーンで行われた調印式での各社代表者(左から) リオ ティント Rafael Azevedo氏(General Manager Iron Ore Sales Atlantic) リオ ティント Thomas Apffel氏(Senior Vice President Steel Decarbonization) フェストアルピーネ Kurt Satzinger氏(Senior Vice President of R&D and Innovation) フェストアルピーネHelmut Gruber氏(CTO and Member of the Board of Directors) プライメタルズ テクノロジーズ Alexander Fleischanderl氏(CTO兼グリーンスチール部門責任者) プライメタルズ テクノロジーズ 飯島 悟氏(ディレクター兼フェローアドバイザー) 三菱商事 財部 誠太郎氏(鉄鉱石部次長 還元鉄チームリーダー)

プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies), は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。 当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、 原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。 当社は三菱重工グループ100%出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。 詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。www.primetals.com.

*ダウンロードされた資料は、プライメタルズ テクノロジーズに関するメディア報道および当社パートナーによる情報発信においてご使用いただけます。ご使用の際は、出典の明記をお願いいたします。

プレスリリースの更新情報をお知らせします。

プライメタルズ テクノロジーズのプレスリリースで、業界の最新動向をご確認ください。氏名、会社名は半角英数字で入力してください。

Contact Person

プレスリリース

製銑

グリーンスティール

フェストアルピーネ

いつでもお気軽にご連絡ください。

当社のソリューションやサービスについてのお問合せは こちらからどうぞ!

プライメタルズ テクノロジーズから最新情報をお届けします

ニュースレターで最新動向を発信しています。 ぜひご購読ください!