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6-high Universal Crown Control Mill (UCM)

ロンドン2017年10月 23日

トルコのトスヤルトーヨー社で冷間圧延総合工場が表面 処理鋼板の生産開始

  • 錫めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、塗装鋼板を冷延生産
  • トスヤルトーヨー社は鋼板製品分野へ市場展開
  • 当社の特許設備である iBox 酸洗設備が欧州・中東・北アフリカ地域で初採用

 

プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)が、トルコの鉄鋼メーカーであるトスヤル トーヨー社(Tosyali-Toyo Celik A.Ş.)のトルコ南西部オスマニエ市の工場向けに納入した冷間圧延総合 設備が、稼働を開始しました。当社は、このプロジェクトを 2014 年後半に受注していました。

この冷間圧延総合設備は、酸洗設備とタンデム式冷間圧延機の直結ライン(PL-TCM)、錫めっき鋼板 連続式焼鈍ライン(Tin-CAL)、2 回調質圧延を行う圧延ライン(テンパー/DCR)で構成され、めっき 鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、塗装鋼板を生産します。今回の稼働により、トスヤルトーヨー社は、主と して輸出向け、さらにトルコ国内市場向けとして、鋼板製品分野へ大きく進出します。なお、この PLTCM には、当社の特許設備である iBox 酸洗設備が、欧州・中東・北アフリカ地域で初めて採用されて います。

 

トスヤルトーヨー社は、トルコの鋼板・条鋼・鋼管製造メーカーであるトスヤルホールディングス社 (Tosyali Holdings)と日本の東洋鋼鈑株式会社が、51%対 49%の出資比率で 2012 年 4 月に設立した 合弁企業です。プライメタルズテクノロジーズは、オスマニエの冷間圧延総合設備の主要コントラクタ ーに選定され、機械設備、電気設備、オートメーション設備などを含む PLM-TCM、Tin-CAL、DCR の 各ラインの納入、フィールドエンジニアリング、据付け及び試運転の監督、オペレーターのトレーニン グを担当しました。

 

PL-TCM は、当社の特許設備である iBox 酸洗設備と、5 スタンド(基)の 6Hi ユニバーサル クラウン コントロール ミル(UCM)で構成されています。圧延スタンドは、フルデジタル式 AC 駆動システム と高応答性の油圧圧下システム(hydraulic gauge control :HGC)「Hyrop-F」によって駆動され、最 新式の自動ゲージ制御システム(automatic gauge control :AGC)により高精度な板厚管理を行い、生 産効率の向上に加えて、製品の歩留まりと品質の向上、高い投資回収を実現します。PL-TCM は年産 100 万トンの高品質な冷延鋼板及びブリキ板の生産用として、ULC(IF:極低炭素鋼)、HSLA(低合金 高張力鋼)、DD11-DD14(DIN EN 10111)などの鋼種を対象に、入側板厚 1.6mm~4.0mm の鋼板を、 出側板厚 0.16mm~2.0mm、同板幅 700mm~1,300mm、出側最大速度 1,440m/分で処理し、最大コイ ル重量は 30 トンです。

 

年産能力 24 万トンの Tin-CAL は、PL-TCM によってブリキ生産用に最大板厚 0.8mm までに圧延された 鋼板をさらに処理します。当社が設計した縦型焼鈍炉は、予熱(PHS)、加熱(HS)、均熱(SS)、1 次冷却(1CS)、2 次冷却(2CS)、3 次冷却(3CS)という工程で構成されており、調質度 T1 から T5 を柔軟に生産できるように配慮されています。また、板形状を矯正するために、洗浄工程の後にコン パクトなテンションレベラーが配置されており、500m/分という最大速度においても、高い信頼性でス ムーズに焼鈍炉を稼働させるために重要な役割を果たしています。

 

年産能力 30 万 3 千トンのテンパーDCR は、最大ライン速度 1,500m/分で、2 スタンドの UCM から構成 されており、2 次冷間圧延と 2 回調質圧延を行うように設計されています。DCR プロセスでは、タンデ ム式冷間圧延機での圧延後に焼鈍された鋼板が、第 1 スタンドで圧下圧延、第 2 スタンドで調質圧延さ れ、所定の機械的強度が鋼板に与えられます。2 スタンド調質圧延機では、鋼板に必要な機械的性質を 得るために、第 1 スタンドと第 2 スタンドの両方で、所定の伸び率に調質圧延されます。Tin-CAL と同 様、この調質圧延機でも、PL-TCM によって生産された鋼板が搬入されますが、調質圧延では 0.16mm ~1.2mm、DCR プロセスでは 0.18mm~0.4mm までの入側板厚の鋼板が処理されます。DCR 処理され るぶりき鋼板は、出側板厚 0.12mm〜0.3mm に、1回圧延では調質度 T1〜T5 に、2 回圧延では調質度 DR6〜DR10 にそれぞれ処理されます。

トルコ南西部オスマニエ市のトスヤルトーヨー社の工場に当社が納入した冷間圧延設 備:6Hi ユニバーサルクラウンコントロールミル(UCM)

 

プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業にとって、エンジニアリン グやプラント建設全般の、世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューショ ンを含めた技術、製品、サービスの一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューショ ンをお届けします。当社は三菱重工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメン ス・グループのシーメンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com