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ロンドン, February 23, 2021

中国・中天鋼鉄向けビレット連鋳機の近代化工事を完工

  • 世界で初めてビレット連鋳機にSRD(シングルロールDynaGap)セグメントを導入
  • SRDセグメントにより最終凝固点を正確に圧下
  • SRDセグメントによるソフトおよびハードリダクションを導入
  • ロールの個別制御により鋳片の最適圧下を実現
  • 技術パッケージによりビレット内部品質をさらに強化

 

プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は中国の鉄鋼メーカーであるZenith Steel Group Co., Ltd.(以下、中天鋼鉄)の常州第3製鋼所向け10ストランド-ビレット連鋳機の近代化工事を完工、操業を開始しました。本機は、世界で初めて新しいSRD(シングルロールDynaGap)セグメントを導入するビレット連鋳機になります。SRDセグメントは最終凝固部分での使用に向け特別に開発されたもので、上段の圧下ロールそれぞれが別々に凝固中の鋳片を圧下できるようになり、最終凝固点での正確な圧下が可能になります。また、オンライン熱力学相変換モデル「ダイナフェーズ(DynaPhase)」、二次冷却モデル「ダイナックス3D (Dynacs 3D)」、軽圧下システム「ダイナギヤップソフトソフトリダクション3D(DynaGap SoftReduction 3D)」などの技術パッケージの導入により、中心偏析及び微小空孔が低減しビレット内部品質がさらに向上します。

 

中国江蘇省・常州市の同社製鋼所にある10ストランド-ビレット連鋳機の年産能力は200万トンで、断面160 x 160 mmの形鋼を毎分最大2.4メートルの速度で製造します。生産鋼種は、低、中、および高炭素鋼のほか、チューブ鋼、ばね鋼、冷間圧造鋼、タイヤコード鋼などがあります。

 

高い内部品質が要求される鋼種のビレットを確実に生産するためには、最終凝固点に関する正確な知識とそれを実現するソフトリダクションが求められます。当社が開発したSRDセグメントを最終凝固点制御に導入することで、鋼種、過熱、冷却速度または鋳造速度に応じて各ロールと鋳片との間隔を個別かつ動的に調整することが可能となります。各ロールが独立して力を伝えるため、より高い圧下率が実現され、鋳片中心部の偏析と微小空孔が低減します。また、最終凝固工程後にもビレットもしくはブルームの圧下が可能となります。この処理はハードリダクションと呼ばれ、鋳片内部の微小空孔をさらに低減します。

 

SRDセグメントは、ベアリングやロール表面の損傷を防ぐ過負荷保護機構が各ロールに搭載されるなど、長期の運転サイクルや容易なメンテナンスが実現できる設計になっています。各ロールはユニットで組み込まれており、メンテナンス工場内での迅速な直接交換が可能です。また、個々のロールユニットはセグメントへの装着前に単独で検査と調整が可能です。

 

当社が提供する技術パッケージには、DynaPhase、Dynacs 3DおよびDynaGap SoftReduction 3Dと呼ばれるソフトおよびハードリダクションの処理モデルが含まれています。オンライン熱力学相変換モデルである「ダイナフェーズ(DynaPhase)」は、熱エンタルピー、熱伝導率、密度および固相率などの材料特性を計算し、二次冷却モデル「ダイナックス3D (Dynacs 3D)」は、ストランド全長にわたって3次元温度分布をストランドのどの位置でも計算できるため、二次冷却セットポイントの最適な調整とストランドの最終凝固点の決定が可能です。軽圧下システム「ダイナギヤップソフトソフトリダクション3D(DynaGap SoftReduction 3D)」は、鋳片の中心偏析を最小限に抑えて内部品質の向上に寄与します。

 

今回の近代化プロジェクトにおいて、当社は、基本および詳細エンジニアリングと、ローラーブロック、スプレーヘッダー、WSUユニットなどの機械設備に加えて、基本(レベル1)オートメーションシステム一式とプロセス最適化アプリケーション(レベル2)を担当しました。

 

中天鋼鉄は、中国江蘇省・常州市にある民営会社で、年産能力1,000万トンを超える銑鋼一貫製鉄所を操業しており、同製鉄所の年間生産能力は1,000万トンを超えており、鋼管、ベアリング、ばね鋼、各種構造用鋼をはじめとする幅広い鋼種の最終製品を製造しています。当社は、同社に向け2011年に大型丸棒・形鋼用のブルーム鋳造機を納入したほか、2016年には鋳造サイズを追加し、断面280x320 mmの形状も鋳造可能になりました。


中天鋼鉄常州第3製鋼所10ストランド-ビレット連鋳機。ハードリダクション用のSRDセグメントと特殊な技術パッケージが導入されています。

 

 

プライメタルズテクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。 

公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp