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Two-strand continuous slab caster

ロンドン2016年8月 16日

Primetals Technologies 納入の連続スラブ鋳造機が ブラジルの CSP 社で本格稼働

  • 年間 300 万トンのスラブ生産能力

 

Primetals Technologies がブラジルの鉄鋼メーカーCSP 社(Companhia Siderúrgica do Pecém:ペセム 製鉄会社)に納入した 2 ストランド(条)方式連続スラブ鋳造機が、このたび本格稼働を開始しました。 この連鋳機の生産能力は年産 300 万トンで、ブラジル・セアラー州サン・ゴンサーロ・ド・アマランテ にあるペセム臨海工業地帯(Pecém Industrial and Port Complex)に建設された新鋭製鉄所である CSP 向けに、韓国に拠点を置くポスコ E&C 社(Posco E&C)から 2012 年に受注していたものです。

 

連続スラブ鋳造機の湾曲部半径は 9.5 メートル、凝固完了長さは 39.8 メートル、鋳造速度は毎分 1.8 メ ートルで、厚み 220、250、300mm、幅 1,100~2,300mm のスラブが生産可能です。

 

連鋳機の主要装備としては、ストレート形状の鋳型システム(Smart Mold*1)、鋳造中でも鋳型幅を変 更可能なシステム(DynaWidth*2)、鋳込み時に(溶鋼の)湯面レベルを最適化する制御システム (LevCon*3)、鋳型内の溶鋼を電磁誘導方式で撹拌するマルチモードシステム、柔軟な振動パラメー タ調整が可能な鋳型オシレータ(DynaFlex*4)などを搭載。さらに、ストランド構造を支えるガイドロ ーラー(I-Star*5)と、ストランド形状を遠隔調整可能な機構(Smart Bender*6及び Smart Segments*7) によるストランドガイドシステムが搭載されており、3D 軽圧下システム(DynaGap Soft Reduction 3D*8)と共に使用することで、生産するスラブの厚みを迅速かつ自動的に切り替えることが可能です。

 

本システムの 3D 二次冷却システム(Dynacs 3D* 9)は、スラブの 3 次元温度分布をストランド全長に 沿って時々刻々計算し、鋳造速度、スラブ形状および生産鋼種に応じて必要となる二次冷却および最終 凝固点を正確に算出します。この算出値に基づいて、3D 軽圧下システムでローラーギャップと圧下量 を動的に制御することにより、最終凝固中のスラブの内部品質を改善、さらに可動ノズル装備の冷却用 スプレー(DynaJet* 10)によるスラブの均一かつ最適な二次冷却により、高品質な表面仕上げも同時に 実現しています。

 

本連鋳機の生産対象は、ULC(ultra low carbon steel:超低炭素鋼)、LC (low carbon steel:低炭素 鋼)、MC(medium carbon steel :中炭素鋼)、HSLA (High Strength Low Alloyed steel:析出強化鋼/ 高張力鋼)および HC(high carbon steel:高炭素鋼)などのスラブで、低炭素構造鋼から、包晶および 非調質の中・高炭素鋼までをカバーする幅広いグレードの鋳造が可能です。生産されたスラブは、さら に後流工程で厚板および薄板に圧延され、産業機械、造船、ボイラー、パイプライン建設用などに供給 されます。

 

Primetals Technologies はプラント全体を設計し、中核となる構成部品、流体システム、基本オートメ ーションおよびプロセスオートメーション、さらに各種の技術パッケージを納入、オペレーター要員の トレーニング、建設および試運転の指導も担当しました。

 

Primetals Technologies がブラジルの CSP 社の新設製鉄所向けに納入した 2 ストラン ド(条)方式連続スラブ鋳造機で製造される高品質スラブ。

 

*1 Smart Mold : 連鋳機の溶鋼注入口のモールド鋳型をカセット方式として交換を容易にしたもの
*2 Dyna Width:Primetals Technologies が供給する、動的に鋳片の幅を調整するシステム。機械のバッ クラッシュと隙間を低減することにより、システムの精度を上げ、メンテナンスコス トを削減する。
*3 LevCon :鋳込み時の湯面レベルを最適化する制御システムで、モジュラー設計により湯面計測 装置、流量調節機構、アクチュエータが選択可能となっている。
*4 DynaFlex :鋳型を微妙に振動させることにより、連続鋳造中に移動する鋳片と鋳型との間に生じ る摩擦を軽減し、半製品であるスラブ等の表面品質を向上させる発振器。
*5 I-Star :内部水冷方式の成型用中間ロール
*6 Smart Bender:連鋳機の制御機構で、Smart Mold と連動して遠隔でスラブ厚を制御する Primetals Technologies 独自の機構。
*7 Smart Segments:連鋳機の制御機構で、鋳造速度の変化に追従した鋳造用ロールの上下位置の自動制 御、軽圧下の最適化を行う Primetals Technologies 独自の機構。
*8 DynaGap Soft Reduction 3D:ダイナミック冷却モデルの目標計算値を基に、鋳片の最終凝固領域に ある鋳造ロールの上下位置を制御する軽圧下システム。
*9 Dynacs 3D :鋳造中の溶鋼内部の温度分布を3次元解析して冷却処理を計算する Primetals Technologies 独自の冷却プロセス制御モデル。
*10 DynaJet :Primetals Technologies 独自の可動式ノズルを装備した冷却用スプレー

 

Primetals Technologies, Limited は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業にとって、エンジニアリングやプラント建設全般の、世界的 リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービス の一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重 工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメンス VAI メ タルズテクノロジーズ社の統合により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。発足時の従業員数は全世 界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com