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London, 9月 18, 2019

タタ・スチール・ヨーロッパ社向け連続鋳造機のレベル 2 オートメーションシステムの遠隔試運転を完了

  • 両社初の試みとして、試運転を完全にオンラインで実施
  • 既存のオートメーションソリューションに代わり、レベル 2 システムを導入
  • すべての連続鋳造機のオートメーションシステムの統合により、生産工程を簡素化
  • 新たな計算アルゴリズムとソフトウェアモデルにより、設備の性能(冷却性能およびスピード・幅 制御)を向上

 

プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)とタタ・スチール・ヨーロッパ社(Tata Steel Europe)は、50 余年続く協力の下ではじめて、連続鋳造機レベル 2 システム試運転をすべてオンライン で完結させました。2019 年 7 月中旬に、当社はオランダのエイマイデンに拠点を置くタタ・スチー ル・ヨーロッパ社の連続鋳造機 CC21 に搭載された旧式のオートメーションシステムを新しいシステム に交換しました。同時に当社にて建設中の連続鋳造機 CC23 にもレベル 2 システムが搭載される予定で す。今回のオートメーションソリューションの統合により、生産工程の制御の簡素化と最適化が期待さ れます。さらに、新たなソリューション機能として備わった計算アルゴリズムとソフトウエアモデルに より、ストランドの冷却と速度・幅制御が改善し、設備性能と初回鋳造における正確性の向上が見込ま れます。

 

リアルタイムでオンラインサポートを提供しながら、段階的に遠隔試運転を実施

当社はタタ・スチール・ヨーロッパ社のレベル 1 システムおよび既存の IT 環境への接続性の検証につい て予めオンサイトでサポートし、複数回のコールドランテストを数回にわたり実施しました。その後 2019 年 6 月中旬に、オンラインでサポートしながら全 10 回のホットランと試運転を実施し、140 ヒー トで合計 1900 本のスラブを生産しました。

すべてのホットランの実施において、当社の専門スタッフがタタ・スチール・ヨーロッパ社のチームお よび現地のシステムと常時インターネットでつながり、プラントのオペレーターをリアルタイムでサポ ートしました。これは両社にとって初めての試みでした。利用するインターフェースをあらかじめ細部 まで詰め、両社の専門スタッフによる入念な準備作業が行われ、本試運転が成功しました。準備段階か ら両社が互いに信頼を寄せ、技術面および冶金面のノウハウを補い合うことができました。

 

オートメーションソリューションの統合

タタ・スチール・ヨーロッパ社のエイマイデンプラントで 20 年以上にわたって運用されてきた旧式の オートメーションソリューションは稼働を終了し、代わりに当社のレベル 2 システムが導入されました。 今回の近代化は、旧式システムの刷新だけでなく、同プラントの全ての鋳造オートメーションシステム (CC21、CC22 および新型の CC23)を統合することが主要な目的でした。新型の連続鋳造機 CC23 は 現在建設中で、他の鋳造機と同様に当社のレベル 2 システムが搭載される予定です。CC21 プラントの 試運転から得られた貴重な知見は、CC23 プラントの準備にも活かされます。特に、オートメーション ソリューションとタタ・スチール・ヨーロッパ社の既存の IT インフラとの接続性を再び利用できるため、 新プラントの試運転作業の負担を大幅に軽減できる見込みです。

 

高度な計算アルゴリズムとソフトウェアモデル

タタ・スチール・ヨーロッパ社は、当社のレベル 2 ソリューションのメリット、特に標準装備された高 度な計算アルゴリズムとソフトウェアモデルのメリットを享受できます。モデルとシミュレーションは、 生産工程全体にわたって定義された表面温度プロファイルを維持する二次冷却制御をさらに向上するた めに活用されています。 システムはリアルタイムの計算データに基づいてストランド幅を連続的に調整できるため、初回鋳造で 注文仕様を満たすという目標達成に大きく寄与します。さらに、温度分布やスループット、分析、スケ ジューリングなどのさまざまなパラメーターに基づいて連続鋳造機の最適な鋳造速度を算出できる機能 により、鋳造機の安定的な運転を維持できます。

プライメタルズテクノロジーズとタタ・スチール・ヨーロッパ社は、連続鋳造機 CC21 のレ ベル 2 オートメーションソリューションの試運転をすべてオンラインで完結。写真:© Fix Media, the Netherlands.

 

プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業における、エンジニアリン グ及びプラント建設全般の世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューショ ンを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューション をお届けします。当社は、株式会社日立製作所ならびに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメ ンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足した三菱重工のグループ会社です。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com

Primetals Technologies, Limited, headquartered in London, United Kingdom, is a pioneer and world leader in the fields of engineering, plant building, and the provision of lifecycle services for the metals industry. The company offers a complete technology, product, and services portfolio that includes integrated electrics and automation, digitalization, and environmental solutions. This covers every step of the iron and steel production chain—from the raw materials to the finished product—and includes the latest rolling solutions for the nonferrous metals sector. Primetals Technologies is a joint venture of Mitsubishi Heavy Industries and partners, with around 7,000 employees worldwide. To learn more about Primetals Technologies, visit the company website www.primetals.com.