最新情報

ニュース&プレスリリース


Continuous slab caster CC3

ロンドン2016年1月 25日

Primetals Technologies、ウクライナ・MMKI 社向け連続 鋳造機および二次精錬設備のエンジニアリングを受注

  • スラブの年間生産能力を 400 万トンに増強
  • レードル炉、精錬設備および除塵システムも対象
  • 製品ラインナップの拡充
  • スラブ断面の加熱制御ソリューションにより鉄鋼生産と連動したスラブ鋳造
  • 排ガス中の煤塵成分を削減

 

Primetals Technologies はウクライナ東部マリウポリの製鉄メーカー Iljitsch Metallurgical Combinate in Mariupol* 1 (MMKI)からスラブ連続鋳造機、精錬設備を装備したレードル炉 2 基、および付随する 除塵システムの設計エンジニアリングを受注しました。2 ストランド(条)方式連鋳機 CC4(第 4 連鋳 機)の年間スラブ生産量は、250 万トンの設計。これにより MMKI 社の年間生産能力は合計で約 400 万 トンに増強され、製品ラインナップも、HC 鋼* 2 、UHC 鋼* 2 および ULC 鋼* 2 等が拡充されます。さらに、 高度なレベル 3 の加熱制御ソリューションを適用して、鉄鋼生産と連動したスラブ鋳造が可能となりま す。

 

MMKI 社は 3 基の LD(BOF)転炉* 3 で鉄鋼を生産しています。Primetals Technologies が納入する 150 トンの新レードル炉* 4 2 基と付属の精錬ステーションにより、生産対象の材料等級と正確な鋳造温度の 調節が可能となります。定格出力 28 MVA の大型変圧器でレードル炉に電力が供給され、毎分 4.5°C の 昇温速度を実現します。Primetals Technologies は、レードル精錬設備からのオフガス浄化用の除塵シ ステムも設計。毎時約 206,000 標準立方メートルを処理し、煤塵成分は立方メートルあたり 12 ミリグ ラム未満に削減されます。

 

Primetals Technologies の契約範囲は、スラブ連続鋳造機本体に加えて、溶鋼を注入する入口ゾーンの レードルターレット* 5 およびレードルカー* 6 から、スラブの秤量、トーチ切断、マーキングおよびバリ 取りなどの各装置を含む出口ゾーンまでの附帯設備一式を含む設計エンジニアリング。連続鋳造機の湾 曲半径は 9 メートル、凝固完了長さは 29.8 メートルで、厚さ 170 ミリメートル及び 250 ミリメートル、 幅 900 から 1,550 ミリメートルのスラブを鋳造。鋳造速度は毎分最大 2.2 メートルで、包晶鋼および包 晶合金鋼、低炭素鋼から中、高および極高炭素鋼、さらには中炭素合金鋼を生産します。この連続鋳造 機には、モールドレベル自動制御機能(LevCon)*7 、オンラインのスラブ幅自動調整装置(DynaWidth)* 8 を 搭載したカセットタイプのストレート型モールド(Smart Mold)* 9 、およびモールドオシレーター (DynaFlex) * 10 が装備されます。ストランドガイドには独自の制御機構(Smart Segment)* 11 と成形用中 間ロール(I-Star)* 12 を装備、さらにソフトリダクション(DynaGap) * 13 、二次冷却制御機構(Dynacs 3D)* 14 及び冷却スプレーノズル(DynaJet) * 15 の設置により、MMKI 社は広範な高規格鉄鋼が生産可能となり、 スラブの内部品質も向上します。

 

MMKI 社はウクライナ最大規模の鉄鋼メーカーの 1 つです。同社は広範な炭素鋼、低合金鋼および合金 鋼の鋼板製品をさまざまな用途向けに生産しており、パイプライン、造船、圧力容器および建設用の厚 鋼板、熱延および冷延鋼板、コイルなどが含まれます。Primetals Technologies は、これまでマリウポ リ工場へ 2005 年に運転を開始したスラブ連続鋳造機 CC3(第 3 連鋳機)を納入しています。


Primetals Technologies がウクライナ・マリウポリの MMKI に納入したスラブ連続鋳造 機 CC3(第 3 連鋳機)。Primetals Technologies は MMKI よりスラブ連続鋳造機 CC4(第 4 連鋳機)と二次精錬設備の設計エンジニアリングを受注。

 

*1 Iljitsch Metallurgical Combinate in Mariupol(MMKI):ウクライナ東部・黒海沿岸のリゾート・ 工業都市であるマリウポリ市にあり、レーニンの本名(ミドルネーム)である Iljitsch(イリッチ)を冠称した製鉄会社(製鉄所)。
*2 HC 鋼、UHC 鋼、ULC 鋼:High Carbon Steel(高炭素鋼)、Ultra High Carbon Steel(超高炭素 鋼)、Ultra Low Carbon Steel(極低炭素鋼)、
*3 LD(BOF)転炉:酸素を炉の上部から吹き込む方式(Basic Oxygen Furnace)で、1950 年代に Linz(リンツ)製鉄所並びに Donawitz(ドナウ)製鉄所で開発されたため、そ の頭文字から LD と呼ばれる転炉。
*4 レードル炉:取鍋(レードル)に入った状態の溶鋼をアーク放電で加熱する加熱炉。スラグ改質 が可能で、溶鋼の脱硫および介在物の除去を行う。
*5 レードルターレット:レードルを乗せる架台
*6 レードルカー:レードル搬送台車
*7 モールドレベル自動制御機能 LevCon:鋳型内の湯面レベルの精密制御で油面レベルの安定性を 確保するシステム。
*8 DynaWidth:Primetals Technologies が供給する、動的に鋳片の幅を調整するシステム。機械の バックラッシュと隙間を低減することにより、システムの精度を上げ、メンテ ナンスコストを削減する。
*9 Smart Mold:連鋳機の溶鋼注入入口のモールド鋳型をカセット方式として交換を容易にした機構。
*10 DynaFlex モールドオシレーター:鋳型を微妙に振動させることにより連続鋳造中に移動する鋳 片と鋳型との間に生じる摩擦を軽減し、半製品であるスラブ等の表面品質を向 上させる発振器。
*11 Smart Segment:連鋳機の制御機構で、鋳造速度の変化に追従した鋳造用ロールの上下位置の自 動制御、軽圧下の最適化を行う Primetals Technologies 独自の機構。
*12 I-Star ロール:内部水冷方式の成型用中間ロール。
*13 DynaGap:ダイナミック冷却モデルの目標計算値を基に、鋳片の最終凝固領域に鋳造ロールの上 下位置を制御するシステム。
*14 Dynacs 3D 二次冷却モデル:鋳造中の溶鋼内部の温度分布を3次元解析して冷却処理を計算する Primetals Technologies 独自の冷却制御モデル。
*15 DynaJet:Primetals Technologies 独自の冷却用スプレーノズル

 

Primetals Technologies, Limited は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業にとって、エンジニアリングやプラント建設全般の、世界的 リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービス の一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重 工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメンス VAI メ タルズテクノロジーズ社の統合により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。発足時の従業員数は全世 界で約 9,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com