ニュース&プレスリリース

ロンドン2025年6月 24日
プライメタルズ テクノロジーズのEAF Quantumが湖北順楽で世界記録を達成
- 電気アーク炉における1日あたりのヒート数で世界記録を樹立
- 極めて短い出鋼間隔と少ない電力および酸素消費量により大幅なコスト削減を実現
- スクラップ予熱や先進のスラグフリー出鋼技術「FAST」などの技術革新により生産を高効率化
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)が中国の鉄鋼メーカー、湖北順楽(Hubei Shunle)が湖北省に保有する製鉄所に導入した電気アーク炉EAF Quantum 2基が 操業面で優れた成果を上げており、大幅なコスト削減を達成しています。 この製鉄所では、年間200万トンの高強度耐震鉄筋を生産しています。
卓越した性能指数
プライメタルズ テクノロジーズと湖北順楽はこの度、EAF Quantum 2基の主要な性能指数を発表しました。1日あたり50ヒートを継続しており、電炉製鉄における世界記録を達成しました。両基はまた、常に28分未満の出鋼間隔を実現しており、1日48~50ヒートにおいて、通電時間25分、非通電時間3分という高効率な操業が行われています。さらに、消費データにも高い効率性が表れています。電力消費量は1トンあたり312キロワット時未満、酸素消費量は同じく24立方メートル未満と、いずれも非常に低い数値を記録しています。
技術革新
多くの先進的な技術が湖北順楽の製鉄所で実証されたEAF Quantumの素晴らしい性能を実現しています。なかでも革新的な排ガス利用システムは、生産工程で発生する廃熱を使ってスクラップを予熱するため、溶解に必要なエネルギーを削減しています。さらにこのスクラップ予熱システムにより、他の電気アーク炉技術と比べて通電時間が短縮されます。このような技術革新により、運転コストとCO₂排出量が低減されています。もう一つの重要な技術革新であるスラグフリー出鋼のためのFAST(Furnace Advanced Slag-free Tapping)システムは、通電中でも出鋼と出鋼口の充填を可能とし、出鋼間隔が大幅に短縮されます。
プライメタルズテクノロジーズは、独自のシャフト設計や自動出鋼口砂充填システムなど、EAF Quantumに関する数々の特許を取得しています。現在、世界中で15基のEAF Quantumが稼働しており、今後さらに多くの導入が予定されています。
技術開発における緊密な協力
プライメタルズ テクノロジーズは、2018年、湖北順楽向けにEAF Quantum 2基とツインレードル炉2基を受注しました。供給範囲には、機械・電気設備一式、レベル1およびレベル2の自動化システム、自動スクラップヤード管理、自動装入プロセス、酸素吹込みおよび砂充填システムが含まれています。
湖北順楽は、ねじ節鉄筋、鋼線、鋼管、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼など多様な製品を製造しています。同社とプライメタルズ テクノロジーズは、革新的技術の応用、「グリーンスチール」技術の導入、スマート製造ソリューションの統合に焦点を当て、さらなる協力の可能性を模索しています。
プライメタルズ テクノロジーズは、湖北順楽の電気アーク炉施設の継続的な発展を全面的に支援しています。このパートナーシップは、厳しい市場環境下でも同社の競争力を強化し、電気アーク炉製鉄における世界トップレベルの高効率ミニミルとしての立場を確立します。
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は、三菱重工グループの100%出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp