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With the new fully automatic dummy bar top feeding system from Primetals Technologies, Baosteel can now start complete sequences as e.g. the takeover from hoist to car by pushing just one button.

ロンドン2020年7月 30日

中国の宝山鋼鉄向け連鋳機全自動ダミーバー装置を完工

  • 新しい全自動ダミーバー上方装装入装置が半自動運転を置き換え
  • ボタンを1 回押すだけで、全自動プロセスが起動
  • センサーとエンコーダの追設により、安全で干渉のない「ダミーバー装入」を実現
  • 全自動で安全性を確保、ダミーバー装入工程におけるオペレータの負荷を軽減

 

プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は、宝山鋼鉄股份有限公司(以下、宝山鋼鉄)より、上海第1 製鉄所の2 ストランド式連続鋳造機CC3 向け全自動ダミーバー上方装入装置の最終検収書(FAC)を受領しました。この新たなソリューションによって、オペレータはボタンを押すだけで、全自動でダミーバーを鋳型内に装入すること、ならびに全自動でダミーバーをホイストから格納台車へ移すことが可能になります。すべての可動コンポーネントの位置を監視、検証するため、セーフティエンコーダ、レーザー距離センサー、安全リミットスイッチなど、安全関連の計測装置が追設されました。このソリューションによってオペレータはルーティンから解放され、作業時間は短縮、プロセス自動化が実現、安全要件も満たされています。各自動シーケンスは、鋳造プラットフォームの現場操作盤または HMI(ヒューマンマシンインターフェース)経由で主管制室(ICC)から開始できます。

 

全自動ダミーバー装置がひとつひとつのシーケンスを結合

新しい全自動ダミーバー上方装入装置は、ダミーバーの鋳型装入、引抜装置によるダミーバーの移動に必要な全工程を、それぞれ独立したシーケンスで実行します。各自動シーケンスは、現場操作盤(LCP)のボタン、または主管制室(ICC)のHMI 上のボタンをオペレータが1 回押すだけで開始されます。

 

従来、宝山鋼鉄では、ダミーバーを鋳型に装入するための各ステップと、ホイストから格納台車へ移すための各ステップを、オペレータが制御、監視する必要がありました。各ステップは、鋳造プラットフォームの現場操作盤(LCP)にある各ボタンを押して、半自動モードで開始していました。次のシーケンスに移る前に、オペレータは、格納台車が鋳型またはホイストまで移動したことや、ホイストの吊上げ位置またはチェーンの位置が正しいかなど、前のシーケンスが正しく完了したかどうかを確認する必要がありました。

 

安全関連の計測装置を追設

全自動ダミーバー上方装入装置の安全確実な運転にとって非常に重要なことは、ホイスト、格納台車、およびチェーンの位置です。そのため当社は、セーフティエンコーダ、レーザー距離センサー、安全リミットスイッチなど安全関連の計測装置を追設しました。これらの装置は、すべての被制御コンポーネントの位置を絶えず監視しており、正確な位置になければ自動運転は開始されません。新しい全自動ダミーバー上方装入装置が設置される前は、オペレータ自身が前ステップの結果を検証し、全コンポーネントの位置を確認しなくてはなりませんでした。

 

安全性の向上と時間短縮

新しいソリューションによって、オペレータはダミーバーの装入と引抜装置による移動の全自動シーケンスをモニターするだけでよくなりました。問題が起きた場合には、オペレータは自動モードから半自動または手動モードに切り替えて介入することも可能です。これは保守作業でも同様です。ダミーバー装入と引抜装置によるダミーバー移動が全自動で終了すると、オペレータの仕事は鋳型に対する鋳造幅の調整だけになります。この調整も安全で単純になっています。

 

プロジェクトの背景

このプロジェクトは、上海第1 製鉄所の連続鋳造機CC3 に対する近代化工事の一環として実施されました。2019 年には、連続鋳造プラント全体の制御と監視を目的とした、新しい主管制室(ICC)の試運転が行われました。また、2 基の鋳造プラットフォーム用ロボットが設置され、新しい顔認識システムも導入されました。

 

宝山鋼鉄は、新たに発足した中国宝鋼集団有限公司(China Baowu Steel Group Corp Ltd)の一員であり、グループ全体では、年間生産量7 千万トンを誇る世界第2 位の鉄鋼メーカーです。宝山鋼鉄は、中国国内および国際市場向けて、高品質な製品を生産しています。上海第1 製鉄所の連続鋳造機CC3 では、2 ストランドのそれぞれで板幅1,200 mm~2,300 mm のスラブを生産しており、その年間生産能力は230 万トンです。

プライメタルズテクノロジーズの新しい全自動ダミーバー上方装入装置によって、宝山鋼鉄ではボタンを1 回押すだけで、シーケンス全体(例えば、ダミーバーをホイストから格納台車へ受け渡すこと)の開始が可能になります。

プライメタルズテクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000 人です。詳しくは、下記URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 www.primetals.com.