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ティッセンクルップ向け停止時間を短縮するコンピュータビジョンベースAIを開発

  • クラックを検出する初のAIソリューション
  • 圧延中間製品の欠陥検出を改善
  • 運転停止時間を短縮し、圧延設備の損傷リスクを低減
  • 圧延機オペレーターのサポート機能を強化  

プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は、ドイツ、ハーゲンにあるティッセンクルップホーエンリンブルグ(thyssenkrupp Hohenlimburg)の中幅ホットストリップ圧延工場に、鋼板のクラックを検出するデジタルアシスタントを導入しました。 このデジタルアシスタントは当社初のコンピュータビジョンベースソリューションです。

運転停止時間の短縮

このソリューションは運転停止時間を短縮し、圧延ロールの摩耗を低減します。 スラブに入ったクラックは粗圧延で目視確認できる大きさになり、パスを重ねるごとに大きくなります。 その後、仕上げ圧延で亀裂が広がり、鋼板に穴が開くことがあります。 最悪の場合、仕上げ圧延でコブルを形成し、ワークロール、バックアップロールなどの設備に損傷を与えます。

クラックの入った鋼板が仕上げ圧延機に入るのを防ぐには、クラックを工程のできるだけ早い段階で検出し、 設備が損傷する前にオペレーターが対策を講じられるようにする必要があります。

即時のアラート

粗圧延機の出口側に設置されたカメラが、当社製デジタルアシスタントにライブ映像を配信します。 AIを利用した機械学習モデルにより、デジタルアシスタントが配信映像を処理し、クラックの有無をチェックします。 クラックが検出されると、即座にオペレーターにアラートを送ります。 その情報はお客様のインテリジェントビジネスオートメーションシステムに転送され、さらなる分析が行われます。

このたび導入するデジタルアシスタントシステムはセルフラーニング機能を搭載し、新しいタイプのクラックも特定するため、検出性能は継続的に最適化されます。

駆動装置の近代化

ヴェストファーレン州ハーゲンに本社を置くティッセンクルップホーエンリンブルグは、約900人の従業員を擁しています。 この工場では、冷間圧延向け鋼板と、主に自動車部品向けのダイレクトホットスタンピングプロセスに適した鋼板を生産しています。 当社とは緊密なパートナーシップを築いており、 現在進行中のプロジェクトの一例に、AIアルゴリズムを用いたプロセスパラメーターの微調整に焦点を当てた共同研究があります。 最近では同工場の熱間圧延機の駆動システム近代化を完工しました。

 

工程の早い段階でクラックが検出されれば、不必要な運転停止時間や設備の損傷を回避することができます。 

 

デジタルアシスタントはAIを使ってクラックを検出し、即座にオペレーターに警告します。