Press Releases
最新情報

ニュース&プレスリリース


ERT-EBROS billet welding system

ロンドン2017年11月 30日

イタリアのフェリエラ・バルサビア社向け棒鋼圧延機用 ビレット溶接システムを受注

  • ビレットの連続溶接により高品質製品のエンドレス圧延を実現
  • 工場の生産量および稼働率を大幅に改善
  • イタリアで初めてエンドレス圧延用ビレット溶接システム「ERT-EBROS」を導入

 

プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は、イタリアの鉄鋼メーカーであるフェリ エラ・バルサビア社(Ferriera Valsabbia S.p.A.)から、同国北部のブレシア県オードロ(ベローナ市近 郊)の工場向けに、既設の棒鋼圧延機用の設備としてエンドレス圧延用ビレット溶接システム「ERTEBROS」を受注しました。今回の受注は、工場の生産量と稼働率の大幅な改善を目的としており、本 システムによって圧延用素材であるビレットを連続溶接することで、高品質製品の一貫連続圧延を可能 とするものです。イタリアで初めて導入される本溶接システムは、2018 年 9 月に稼働開始予定です。

 

1954 年に設立された民間企業であるフェリエラ・バルサビア社は、電気炉(EAF)を主体とするミニミ ルを操業し、コンクリート用鉄筋の圧延生産用の素材であるビレットと棒鋼を年間約 90 万トン生産す る能力を有するイタリア大手の鉄筋メーカーです。既存の棒鋼圧延機は、2007 年から 2008 年にかけて 当社が納入したもので、ビレット用の溶鋼充填システムのみならず、2 条スリット圧延モードで毎秒最 大 29 メートルの圧延速度が可能な棒鋼単体高速搬送システムも装備。 断面 150 ミリ角(将来的には 160 ミリ角にも対応予定)、長さ 9 メートルの低炭素鋼ビレットを加工して直径 8〜40 ミリの鉄筋を生 産、さらに 2 条スリット圧延モードでは直径 8〜20 ミリの鉄筋を生産できるように設計されています。

 

今回投入する溶接システムの設計年産能力は 90 万トンで、これにより連続的に接合されたビレットは、 エンドレス圧延が可能となり、これまでのビレット単体の圧延加工と比較して加工時間および生産能率 が大きく改善するとともに、冷却床の使用効率も向上して運用自由度も増えることから、コイル重量の カスタマイズも可能になります。本溶接システムはビレット加熱炉と圧延スタンドとの間に設置され、 急速集中加熱によるフラッシュ溶接でビレットを連続溶接します。これにより固体状態のビレット同士 の接合が可能となるため、溶加材を使用する必要が無く、すべてのプロセスパラメータをリアルタイム で制御するダイナミックフラッシュ制御システムにより、高い接合品質を実現するだけでなく、エネル ギー消費を減らしながら材料歩留を向上させることも可能です。

 

ハードの周辺機器として、溶接終了に伴い溶接ヘッドが上昇した後、接合部のバリがセルフクリーニン グ式バリ除去設備(デバリングステーション)で除去されます。このバリ除去設備は溶接ユニットとは 独立して稼働するため、サイクルタイムには影響しません。さらに、プロセス品質を維持するために搭 載されるアクティブスパッタ保護機能は、機械や電気装置を溶接スパッタから保護して、部品寿命を延 長し、円滑なメンテナンスを実現します。

 

電気システムとしては、コンパクトかつ信頼性が極めて高い一体型の高周波変圧器をコア機器として採 用しており、メンテナンスフリーでエンドレスに溶接を継続することが可能です。安定して持続可能な プロセスフローには電圧の安定化と制御時間の短縮が不可欠であることから、サイリスタ回路の 10 分 の 1 の時間で電流制御を行い矩形波電圧を生成するコンバータと、各変圧器には高周波の矩形波電圧を 安定的に一定の DC 電圧に変換する半導体とが実装されています。

 

今回のビレット溶接システムで、当社はバリ除去設備(デバリングステーション)、払い出しシステム、 ピンチロールやせん断機、ローラーテーブルなどの付属設備を含むビレット溶接システム「ERTEBROS」一式に加えて、流体システム、電気機器およびオートメーションシステム、溶接制御用技術 パッケージ、温度損失を補うために圧延機スタンドの手前に据え付けられる誘導炉を供給し、プロジェ クトのエンジニアリング、更に新設機器の組立と試運転も担当します。

 

EBROS はスチールプランテック株式会社の登録商標です。

ERT-EBROS はプライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies,Limited.)の登録商標です。

 

プライメタルズテクノロジーズのビレット溶接システム「ERT-EBROS」。同タイプ のシステムをイタリアのブレシア県オードロのフェリエラ・バルサビア社に納入予定。

 

プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業にとって、エンジニアリン グやプラント建設全般の、世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューショ ンを含めた技術、製品、サービスの一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューショ ンをお届けします。当社は三菱重工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメン ス・グループのシーメンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト: www.primetals.com