• 高品質ホットブリケットアイアン（HBI）を年間200万トン生産するMIDREX Flex直接還元プラントを新設し、東南アジアにおける鉄鉱石ベースの金属需要に対応
• マレーシア、ルムットのMAEGMA拠点近郊でペレタイジングプラントを運営する予定のグローバルな高品質鉄鉱石サプライヤーとの提携
• 動力源は、マレー半島の公共ガス網から競争力のある価格で供給される天然ガスと、公共網から独立して供給される再生可能エネルギーおよび近隣で計画されている太陽光発電所からのグリーン水素
• 最先端の技術でエネルギー消費と環境への影響を削減

プライメタルズ テクノロジーズ（Primetals Technologies）は、2025年5月6日、MAEGMA Mineralsとともに、マレーシア、ペラ州ルムットに年間200万トンのホットブリケットアイアン（HBI）生産能力を有する MIDREX Flexプラントを建設する覚書（MoU）に署名しました。 本プラントは、Midrex Technologies, Inc.（Midrex）の協力のもとに新設されるもので、これによりMAEGMAは、東南アジアにおける高品質なHBIの需要拡大に対応できることとなります。 操業開始は2029年を予定しています。

柔軟な移行を可能にするHBIプラント

  

MIDREX Flex技術は、天然ガスと水素の比率を柔軟に調整でき、最大100%水素での運転も可能です。 当初は天然ガスと水素の混合ガスを使用しますが、従来の高炉ベースの製銑プロセスと比較して二酸化炭素排出量を50%以上削減します。 プラントには、3段階のプロセスガスコンプレッサーなど、水素対応の設備や配管が導入されます。 主要な構成要素としては、直径7.15メートルのMIDREXシャフト炉と、280ミリメートルのリフォーマーチューブを備えた19ベイのMIDREXリフォーマーが挙げられます。   

プライメタルズ テクノロジーズ上流部門責任者Andreas Viehboeck氏は以下のように述べています。

「業界の水素への移行が加速する一方で、エネルギー価格は依然として大きな課題となっています。

このような状況において、MIDREX Flexプラントの柔軟性はMAEGMAにとって大きな強みとなります。

この技術により、MAEGMAは市場動向に応じて水素の使用比率を段階的に引き上げながら、従来の方法と比べて二酸化炭素排出量を大幅に削減することができます。 私たちは、このパートナーシップを通じてMAEGMAの目標達成に貢献できることを大変光栄に思っています。」

高品質HBIの生産

  

この先進的な技術ソリューションは、柔軟性と性能を両立させ、効率的かつ持続可能な生産のための最先端システムを統合しています。

注目すべき改良点として、ブリケット化プロセスで発生する微細鉱石残渣を再利用するコンベヤシステムがあります。 プライメタルズ テクノロジーズは、一貫して高品質HBI生産を確保するために、DRIpaxエキスパートシステムを搭載した高度なプロセス最適化システム（レベル2）を含む基本自動化システム（レベル1）に加え、さらに幅広いデジタル化ソリューションも提供します。   

プラントは、信頼性の高いガス供給業者から公共ガス網を通じて供給される地元産天然ガスと、公共網から独立して供給される再生可能エネルギーおよび計画中の太陽光発電所で生産されるグリーン水素を原動力とします。 さらに、ペレット原料はMAEGMAサイト近郊で操業する世界有数の鉱山会社から調達されるため、輸送コストが大幅に削減されます。  

MAEGMA Mineralsは、クアラルンプールを拠点とする Melewar Group傘下の企業で、マレーシアの冷間圧延鋼板分野における主要な産業コンツェルンであり業界リーダーです。 同グループはまた、建設、家具、自動車、自転車、エンジニアリング業界で広く使用される鋼管、空洞プロファイルなどの製品も製造しています。
 

MIDREX HBIプラント新設に関する覚書に署名した式にて、左から Friedemann Plaul氏（Primetals Technologies Senior Vice President Iron- and Steelmaking）, Andreas Viehboeck氏（Primetals Technologies Executive Vice President and Head of Global Business Unit Upstream）, YM Tunku Dato Yacoob Khyra氏（Khyra-Melewar Group Executive Group Chairman）, Uwe Ahrens氏（Khyra-Melewar Group CTO）